オフショア開発

オフショア開発において、海外子会社のソフトウエア開発技術者を育成する上で忘れないでおきたい観点

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こんにちは、げんごにあです。

ITエンジニア(大企業の社内SE)として、自身もソフトウエア開発について日々学ぶ立場でありながら、海外子会社のソフトウエア開発技術者を育成する業務というのも、担当しています。

いわば、学びながら教えるというスタイルであり、なかなかタフですが、知識を効率よく身につけるには最強の方法かと思います ── いい加減な知識では人に教えることができないため、人間、指導者になれば、必死に勉強するようです。

さて。

本記事では、海外子会社のソフトウエア開発技術者を育成する際のあるあるについて情報共有すると共に、忘れずに持っておきたい観点についてもコメントしようと思います。

組織の人材流失は、基本的に激しい。後継者の人材育成も、簡単ではない

一社に長く勤め上げるのは、日本文化特有の勤務形態であり、世界規模で見ると、キャリア開拓のために次から次へと転職することは、珍しくありません(むしろ、普通です)。

数年に一度という、エース級の人材がせっかく見つかったところで、長く勤めてもらうことは難しく、彼ら彼女らが離職して尻拭きをする羽目になるのは、日本人社員です。

気を取り直して、次なるエース級の人材を育てようにも、そもそもの「素材」に左右されるところが大きく、簡単な話ではありませんし、短期間では解決しない問題です。

そのため、以下のような観点を持ちつつ、海外子会社の活用方法を検討することが大切だと最近思うようになりました。

■海外子会社の人材は、いつ流出しても不思議ではないからこそ、心がけたい観点

  • エース級のソフトウエア開発技術者がいても、あまり責任ある仕事を任せない。離職されたとき、ノウハウが一気に消失するリスクがあるため
  • 業務手順は完全に標準化・ドキュメント化する
  • 一度ドキュメント化した業務標準は、定期的に教育、必要に応じて改訂する仕組みを浸透させる

若い頃は、目先の業務納期を海外子会社に押し付け、エース級の人材に依存して、なんとかプロジェクトを回すことをしていましたが、そんな自転車操業をしても、結局、天に向かって唾を吐くようなものと気づいてから、仕事の回し方を根本的に変えました。

手を抜いたツケは、いつか必ず、本社側、日本人社員に、ブーメランとして返ってきます。

海外子会社への伝言ゲームは、無理ゲー。絶対にそのまま伝わらない

調整能力に長け、おもてなしの考えが根付いた日本人は、廊下でササッと立ち話をするだけでも、業務を進めることが可能です。

しかしこれは、日本人だけに備わった特殊能力とでも呼ぶべきスキルであり、世界規模で見ると、こんな業務の進め方は、異常です。

海外子会社を相手にするときは、プラモデルの組立説明書を作るくらいの丁寧さがなければ、伝わりませんし、期待するアウトプットは返ってきません

そのため、最近では、以下のような観点に注意しながら、海外子会社への業務発注を行うことを心がけています。

■海外子会社への業務発注は、プラモデルの組立説明書級の詳しさが求められるからこそ、持っておきたい観点

  • 仕事は細かく区切って、「部品」に分割するべき。プラモデルの組立説明書を、ゼロから書くのは大変だけれど、小さな部品であれば、組立説明書も現実的なボリューム感になり、かつ、受取手にとっても読みやすい
  • 業務発注側(本社サイド)のドキュメント作成スキルを高める。自分がドキュメント化できない業務は、発注すべきではない業務だと考える
  • 決して口頭で伝えない。オンライン会議であれば、ペンタブレットを使うなどして、図や表を手書きしながら、議論する

どれも当たり前のことですが、「オフショア開発がうまく行かない」問題は、多くの場合、当たり前のことを当たり前にできていないからです。

発注側である本社がお手本となり、整然とした推進方法でプロジェクトを運営することにより、受注側である、海外子会社も自然と成長していきます。

海外子会社のソフトウエア開発技術者を育てることは、自分自身へのトレーニングでもある

本記事でご紹介したような観点で日々のオフショア開発業務に取り組む筆者ですが、プロジェクトが前回よりもうまく回せたとき、大変大きな達成感を味わうことができ、その喜びが、次のプロジェクトに立ち向かう原動力にもなっていると思います。

海外子会社のソフトウエア開発技術者を育てることは、結局、自分自身へのトレーニングになっていると感じます。

なぜならば、ガラパゴス化した日本文化独自の「悪習」を排除した上で、より世界標準に近い業務スタイルを確立するプロセスを通じ、合理的に考えようとする習慣が身につきますし、論理的思考能力や、生産性の向上にもつながるからです。

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