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大学受験、【工学部の学科選び】で進路に悩む高校生へささげるヒント集

投稿日:2018年10月20日 更新日:

はじめに:学部は決めたが、学科は決められないという悩み

こんにちは、げんごにあです。

なんとなく工学部へ進むことは決めたが、学科までは決めきれていない

本記事には、そういう悩みを抱えている高校生や大学受験生にとって、ヒントが豊富に埋まっているかも知れません。

後悔のない進路選びをするためにも、下記でご紹介するような観点をヒントにしながら、【工学部の学科選び】と向き合ってみては、いかがでしょうか。

工学部の学科を選ぶためのヒントとなる観点

まずは、あなたが○○大学工学部へ進学することに興味を持った理由から、考えてみましょう。

自分の中で、一番大きな動機となったものは?と分析すると、以下のような切り口が思い浮かぶのではないでしょうか。

高校での学習成績、科目との相性について考える

数学、物理、あるいは、化学のいずれかが好きで、相性もよさそうだから、工学部を選んだ人もいるでしょう。

数学・物理・化学に対応する、工学部の学科は、以下の通り。

■凡例

  • ◎ 大学進学後、大きな強みとなる
  • ○ 大学進学後、強みとなる
  • ー 素養程度には身につけておきたい
高校で
得意な科目
適している学科
機械
物理
電気
電子
情報 化学
材料
土木
建築
数学
物理
化学

高校で興味を持った科目(数学、物理、化学)に対応する学科へ進むと、大学進学後のモチベーションが保てる可能性もグーンと高くなります。

逆に、「苦手な科目」を避けるというアプローチもあり、数学・物理が苦手な人は、化学系への進学を検討するという見方も可能です。

自分の「手先の器用さ」について考える

大学工学部では、机上の座学だけではなく「手を動かす」科目も、上回生へなるほど多くの割合を占めます。

本記事では、実験、製図、実習、その他の四カテゴリに分けて、学科ごとの状況をまとめています。

「実験」とは、教科書の理論が、本当に成立するかを確認するため、各種装置を行って実証するもの。材料を破壊して強度を確かめたり、化学物質を同定したり、「理系の学生生活」気分をたっぷり味わえます。

「製図」とは、図面を起こすもの。専門の筆記用具を購入し、製図台を用いるアナログ作業から、コンピュータ上でマウスを使って図面を描くデジタル作業まで、あります。卒業生が描く図面の出来映えは、大学評価にも直結するため、厳しく指導する学校も多いでしょう。

「手先の器用さ」が求められるカリキュラムも……

「手先の器用さ」が求められるカリキュラムも……

「実習」は、「実験」と混合しがちですが、まったく別物です。「実習」でやることは、理論の正しさの実証ではなく、理論に基づいて、より実社会に近いタスクを学校の授業形式で行うものです。機械であれば、レーザ加工機や溶接機を使ってモノづくりをしたり、建築・土木であれば、家や街を設計したり、その学科の本質とも言える内容の科目になっています。

「その他」としては、情報系学科の「プログラミング」や、建築・土木系学科の「測量」など、その学科にしかないユニークな科目があります。

■凡例

  • ◎ 大学進学後、がっつり携わる
  • ○ 大学進学後、携わる機会がある
  • ー 大学によって、関わる度合いはまちまち
「手を動かす」
科目
学科
機械
物理
電気
電子
情報 化学
材料
土木
建築
実験
製図
実習
その他 プログラミング 測量

上述したような科目を滞りなくサクサクこなすためには、「手先の器用さ」が、かなり重要なファクターとなります。

もちろん、最初はみんな初心者なので、練習によって上達するので、必要以上に心配するべきではありませんが、「自分は明らかに手先が不器用」だとか、「自分は机上の座学を中心にやりたい」という気持ちが強い方は、学科を選ぶ際には、注意した方がよろしいかと思います。

一般的に、「手を動かす」科目の多い学科ほど、忙しさがアップする傾向にあるため、各大学のホームページへアクセスして、実際のカリキュラムを確認してみることも一案です。

学習成果の「集大成」、資格取得について考える

多大なコスト(金銭・時間の両面で)を費やし、せっかく工学部で学ぶからには、卒業してからも「武器」となるような資格が欲しいと考える方も多いでしょう。

大学にもよりますが、以下のような資格が、工学部のカリキュラムを履修することによって、取得可能(あるいは受験資格が得られる)です。

■工学部で取れることの多い資格

  • 教員免許 中学・高校の、数学、理科、技術・工業、情報などがあり、どの種類を取得できるかは、大学によって異なります。
  • 建築士 建築系学科を卒業して自動的に与えられる訳ではありません。あくまでも「受験資格」が生じるだけです。

ちなみに、「教員免許」は、制度変更により「有効期限つき」となったことで、取得のメリットが少なくなっています

本気で教員を目指す場合は良いのですが、「将来の保険」程度に考えている場合は、教職関連の単位を集めたり各種実習(教育実習・介護実習など)へ参加したりする大変さと、見合わないかも知れません。自動車運転免許と同じで、教員免許を維持するには、更新するための時間もお金もかかるからです

また、工学部のカリキュラムと相性が良い資格としては、以下があります。

■工学部のカリキュラムと相性の良い資格

  • 弁理士 かなりの難関国家資格ですが、大学在学中に合格することも可能です。技術的な見地から、特許を出願するような業務に興味がある場合は、検討する価値ありです。
  • 技術士 卒業してから業務経験を重ね、エンジニアキャリアの「集大成」として取得する方もいます。個人的には、取得するメリットは、さほど大きくなく、「名誉」目的みたいなものだと思います。
  • 情報処理技術試験 情報系学科はもちろん、電気電子系や機械系でも、就職活動を意識して「基本情報技術者」や「応用情報技術者」を取得する人は結構います。

医学部卒業生には医師免許、薬学部卒業生には薬剤師免許という、免許保有者のみが業務を許される業務独占資格の道がある一方、工学部卒業生には、(建築士の例などがあるものの)「業務独占資格」は少ないです。

工学部卒業生は、エンジニアとして、実務現場で力をつけて実績を積むというキャリア構築が基本です。

「資格だけで食っていく」ということに強いこだわりを持っている方は、他学部の選択も視野に入れた方がよいかも知れません。

学問としての「ツブシのききやすさ」について考える

まずは「ツブシのききやすさ」という表現ですが……

《金属製品は、溶かして別の物にすることができるところから》それまでの仕事をやめても、他の仕事ができる能力があること

といった意味合いです。

平たく言うと、他の分野へ「引越し」しやすいかどうかってことですね。

選択肢は多すぎても困るが、柔軟であるに超したことはない

選択肢は多すぎても困るが、柔軟であるに超したことはない

近年、工学部では(国公立大学を中心に)大学院進学を前提とした、【六年間教育】を想定していることが増えています。

在学中に興味が変わる場合も十分に考えられるため、ある程度、途中での軌道修正がしやすい「ツブシがきく」工学部の学科を選んでおくという観点もあります。

たとえば、「ロボット」を研究したい場合、機械系と情報系があります。

もう少し具体的に書けば、ロボットのハード(駆動部のメカなど)に関する部分は機械系、ソフト(人工知能など)に関する部分は情報系という学科選択が基本ですが、「ソフトとハードを両方やりたい」という願望が生じ、大学と大学院で専門を変更する場合、以下の2パターンがあります。

  • 大学で機械系、大学院で情報系 → ○(比較的容易)
  • 大学で情報系、大学院で機械系 → △(かなり困難)

両者は、「ソフトとハードを両方」という意味では、一見同じですが、【転向の実現性】という観点で考えると、大きく異なります

大学院にも入試があるため、これに合格しなければなりませんが、機械系は物理と数学の両面のセンスを問われます。一方、情報系は数学のセンスがあれば攻略できることが多く、求められるセンスの幅が異なっているからです。

このような観点で、大学・大学院での転向しやすさをマトリックスにしたものが、以下です。

■凡例

  • ○ 比較的、容易に転向可能
  • △ 努力次第で、転向可能
  • ー 自分自身(FROMとTOが同じ)
  • × 転向は、かなり困難
大学院
(転向後の学科)
機械
物理
電気
電子
情報 化学
材料
土木
建築
大学
(転向前の学科)
機械
物理
× ×
電気
電子
× ×
情報 × ×
化学
材料
× × × ×
土木
建築
× × × ×

化学・材料、建築・土木については、転向がしづらいため、いちど専門を選ぶと、それを貫き通す強い覚悟が必要です。

なお、「ツブシがきく」学科を選んでおくと、就職時も、多くの選択肢を手元に置けるということも付け加えておきます。

まとめ:どの学科へ進んでも、エンジニアは生涯勉強

いかがでしたか。

工学部は、どの学科へ進もうと、エンジニアになれば「生涯ずっと勉強」です。

エンジニアは生涯勉強する環境にある

エンジニアは生涯勉強する環境にある

大きな技術革新が起き、五年前の当然が、アタリマエでなくなるという出来事が珍しくありません。

本記事でご紹介したような観点から着想を得て、少しでも後悔のない学科選びをし、充実したエンジニアライフを過ごせるように頑張ってください。応援しています。

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